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2010年04月16日

白球を追いかけて・・・(7)

忘れたいけど忘れられない試合が・・・私には3つある。

1つは先日書いた「人生初のサヨナラ2ラン」。
打ったボール、飛んでいった方向・・・そして「あいつ」の存在。
「一一打って!~」の言葉と「あっかんベー」のあいつの表情は
30年以上過ぎた今でも忘れられない。

そして今日は2つ目。「連続エラー事件」

大げさにも「・・事件」と名付けているが、自分に取ってはまさに”事件”だった。
それはY内中との試合。これに勝てば初の県大会出場が決まる、そんな試合。
相手投手は175cm以上ある大柄の投手。 30何センチのマウンドの高さを考えると
2m以上の高さから投げ下ろす感じなので、手も長<マウンドと打席の間が相当近く感じる。
また相手のY内中は当時、県大会常連の強豪で、よく新聞にも掲載されたりしていたが、
なぜかおっキーはそのY内中の大型投手と相性が良かった。周りの仲間からも
「お前、よくあのピッチャーから打つよなあ」と言われたが、自分でも理由がわからない。
「振れば‥ヒット」そんな感じだった。
野球をやってた方にはこの「相性」について分かってくれると思う。

その日の試合は僅差の展開。
明らかに我がK中の健闘で得点はO-O。我が方の守備の時だった。
この回、先頭打者の打球はセカンドゴロ。何でもない当たり。
誰しも1アウト、と思った瞬間、ボールはグローブに弾かれ後逸。明らかなエラー。
気を抜いたわけでもないが、捕れなかった。弾いてしまった・・・
恐る恐るベンチを覗くと顧問の先生は腕組みしている。(笑ってるはずがない。)
そして次の打者はバント。
キャッチャーは「しめた!」とばかりにすかさずセカンドヘ。送球も完璧、と誰もが思った瞬間、
ボールはこれまたおっキーのグローブを弾き、結果オールセーフ。
これも明らかなエラー。惨め過ぎるエラー。
盛り上がる相手ベンチ。一方、怒りの矛先はおっキー1人へ。無理もない・・・
おっキーは「・・交代だなあ」と思ったが、顧問の先生は腕組みしたままだった。
タイムを取り、内野陣はマウンドヘ。
「お前、何してる~!?」マスクを外しながらキャッチャーが言った。
「ごめん・・」それしかなかった。
他の選手は何も言わなかったが、思うとこは一緒だったに違いない。
「次、送ってくる(バント)かも知れないから・・そのつもりで」
守備の確認をしそれぞれの(守備)位置に戻った。

どうしたんだろう??自分でも混乱していた。
おっキーは決して守備が苦手ということではなく、むしろ自信を持っている方で、
だから周りから見れば手抜き、油断・・・そういう風に取られたのかもしれない。
その後、何とか2アウトまでこぎつけ、ランナーは1つ進んで2塁3塁。
相手がくれたチャンス、エラーで出したランナーを返せないと
相手のショックは三者凡退より大きい。
逆に守備側からすればここを押さえると次の攻撃に「弾み」が付く
・・・そんな展開だった。

そんな中、たぶん・・、間違いなく1人だけ、
ウジウジと過ぎたことばかり考えて「怯えている」人が・・・居た。
“野球の神様”は時に残酷で、気持ちが伝わらない、「そういう人」を狙って打球を操る。
そして次の打者の打球はドン詰まりのセカンドベース付近への高いフライ。
上がった瞬間、相手ベンチからの「ため息」が聞こえるような
そんなイージーなフライだったが、「怯えた少年」は早く構えすぎたこともあり
ボールとグラブが重なり打球が一瞬消え、その影響でボールは
グラブの中で静かに収まらず回転するとそのままショートの位置まで転がっていった。

ベース付近のフライだったのでショートもその「怯えた人」の近くに居て、
結局その打球をサードが押さえた時は
2人のランナーは既にホームを駆け抜けていた。

決定的な2点・・・・・。

せっかくの県大会出場、僅差の試合、そして大金星。
そのすべてがこのワンプレーで崩れ、そして「逃げて」行った・・・。

 【野球少年たちへ】
私は子どもたちに野球を教える際、常に「声」を出すよう指導してきた。
それは「元気を出す」ためではなく、
頭と体が一致した動きをするよう常に頭に問いかける、ためである。
体は1つしかないのに、眼で見たこと、耳で聞いたことに従って、
頭はいろんなことを考えたり、考えなかったりする。
だから「自分は今ここで野球をやってるぞ。守るんだ!」という
集中する意味を込めて大きな「声」を出すんだ。

白球を追いかけて・・・(7)
頭では分かっていても体が付いていかない、そんなことはたくさんある。
常に頭より遅れて体が反応するためだ。ただこの試合でもう1つ学んだ。
それは「消極的にならない」こと。
守っているとき考えることは
「よし、全部俺のとこに飛んでこい!」と
守っていても常に「攻撃的な」気持ちを持ち続けながら守備をする、それが野球だ・・・。

・・・試合でエラーした子が
下を向きベンチに戻って来た時、
「エラーしたくなければ声をだせ。
守っているときは全部飛んで来いと心で言い続けなさい。」

そして最後に・・・「失敗したことは済んだこと。その分、男なら打って取返して来い!」

ここで大きな声で「はい!」と返事をする子には、
”野球の神様”も微笑んでくれる、と私は信じている。



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Posted by メジャー at 07:00│Comments(2)読み物・・・
この記事へのコメント
メジャーさん おはようございます。

準決勝戦で3つのエラー 悔いの残る試合だったんですね~
頭と体の動きを一つにする為にも 声を出すんですね!
またまた勉強になりました。
Posted by キッズのマッシー!! at 2010年04月16日 10:13
コメントありがとうございます。

その日は悔しくて・・・みんなに悪くて
1人歩いてY内中から家まで
歩いて帰ったのを覚えています。
(ーー;)
Posted by メジャーメジャー at 2010年04月16日 21:51
 
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